TORENDIA
無趣味
太宰治
TORENDIA
無趣味
本文約350字 ・ 読了時間 約1分
あらすじ(AIが作成しました)
三鷹に移り住むまでに転々としてきた住まいの遍歴を淡々と語り、衣食住には何の趣味も持たない自分にとって、それらに凝る人がどこか滑稽に見えると綴る太宰治のエッセイ。
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🎧 無趣味 / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星
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この、三鷹の奥に移り住んだのは、昨年の九月一日である。その前は、甲府の町はずれに家を借りて住んでいたのである。その家のひとつきの家賃は、六円五十銭であった。又その前は、甲州御坂峠の頂上の、茶店の二階を借りて住んでいたのである。更にその前は、荻窪の最下等の下宿屋の一室を借りて住んでいたのである。更にその前は、千葉県、船橋の町はずれに、二十四円の家を借りて住んでいたのである。どこに住んでも同じことである。格別の感慨も無い。いまの三鷹の家に就いても、訪客はさまざまの感想を述べてくれるのであるが、私は常に甚だいい加減の合槌を打っているのである。どうでも、いい事ではないか。私は、衣食住に就いては、全く趣味が無い。大いに衣食住に凝って得意顔の人は、私には、どうしてだか、ひどく滑稽に見えて仕様が無いのである。
完
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