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TORENDIA

新日本の進路

本文約8,700字 ・ 読了時間 約18分

あらすじ(AIが作成しました)

人類の歴史は專制主義から自由主義へ、そして現代の統制主義へと段階的に発展してきたと論じる。著者は世界各国が統制主義へ移行する中、日本も既存の政治形態を超えた新たな統制主義国家として独立すべきだと主張する。また、東アジアの地域的特性を考慮し、個々の階級利益を超えた道義的な政治理想を確立することで、真の平和と国際社会への貢献が可能になると説く。

石原莞爾

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一、人類歴史は統制主義の時代にある

フランス革命は專制主義から自由主義えの轉換を決定した典型的自由主義革命であり、日本の明治維新もこの見地からすれば、自由主義革命に属する。自由主義は專制主義よりも遙かに能率高き指導精神であつた。しかるに第一次大戰以後、敗戰國もしくは後進國において、敗戰から立上り、或は先進國に追いつくため、自由主義よりも更に能率高き統制主義が採用された。ソ連の共産黨を含み、あらゆる近代的社會主義諸政黨、三民主義の中國國民黨、イタリアのフアツシヨ、ドイツのナチ、遲れ馳せながらスペインのフランコ政權、日本の大政翼賛會等はいづれもこれである。依然として自由主義に止つた諸國家も、第二次大戰起り、ドイツのフランス、イギリスにたいする緒戰の壓倒的勝利、さてはドイツの破竹の進撃にたいするソ連の頑強なる抵抗を見るにおよんで、自由主義をもつてしては到底統制主義の高き能率に匹敵し得ざることを認め、急速に方向を轉換するに到つた。

自由主義は人類の本能的欲求であり、進歩の原動力である。これにたいし、統制は專制と自由を綜合開顯せる指導精神であり、個々の自由創意を最高度に發揚するため必要最小限度の專制を加えることである。今日自由主義を標榜して國家の運營に成功しているのは、世界にアメリカだけである。かつて自由主義の王者たりしイギリスさえ、既にイデオロギーによる統制主義國家となつている。しかして今やアメリカにおいても、政府の議會にたいする政治的比重がずつと加わり、最大の成長を遂げたる自由主義は、進んで驚くべき能率高き統制主義に進みつゝある。國内におけるニユー・デイール、國際的にはマーシヤル・プラン、更に最近に到つては全世界にわたる未開發地域援助方策等は、それ自身が大なる統制主義の發現に他ならぬ。その掲ぐるデモクラシーも、既にソ連の共産主義、ドイツのナチズムと同じきイデオロギー的色彩を帶びている。かくしてアメリカまた、ソ連と世界的に對抗しつつ、實質は統制主義國家に変貌し來つたのである。

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