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TORENDIA

冬の花火

本文約21,800字 ・ 読了時間 約44分

あらすじ(AIが作成しました)

昭和二十一年の津軽。地主の父と継母の元へ娘の数枝が幼い子を連れて帰省する。戦地へ向かった夫との生活や継母との歪な関係に苦しむ中、村の男・金谷清蔵から執拗な思慕を寄せられ、家族の葛藤と社会の変容に翻弄される。現実への絶望を深める数枝は、自身を縛る過去や理想をすべて否定し、破滅的な心情を抱きながら新たな道へ踏み出そうとする様子を描く。

太宰治

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人物。

数枝   二十九歳

睦子   数枝の娘、六歳。

伝兵衛  数枝の父、五十四歳。

あさ   伝兵衛の後妻、数枝の継母、四十五歳。

金谷清蔵 村の人、三十四歳。

その他  栄一(伝兵衛とあさの子、未帰還)

島田哲郎(睦子の実父、未帰還)

いずれも登場せず。

所。

津軽地方の或る部落。

時。

昭和二十一年一月末頃より二月にかけて。

[#改ページ]

第一幕

舞台は、伝兵衛宅の茶の間。多少内福らしき地主の家の調度。奥に二階へ通ずる階段が見える。上手は台所、下手は玄関の気持。

幕あくと、伝兵衛と数枝、部屋の片隅のストーヴにあたっている。

二人、黙っている。柱時計が三時を打つ。気まずい雰囲気。

突然、数枝が低い異様な笑声を発する。

伝兵衛、顔を挙げて数枝を見る。

数枝、何も言わず、笑いをやめて、てれかくしみたいに、ストーヴの傍の木箱から薪を取り出し、二、三本ストーヴにくべる。

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