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TORENDIA

硯友社の沿革

本文約10,400字 ・ 読了時間 約21分

あらすじ(AIが作成しました)

明治15年頃、東京の第二中学で山田美妙と知り合った著者は、互いに文学への志を抱き、その後、石橋雨香を交えて「硯友社」を結成するに至る。本作は、著者が当時を回顧し、同人雑誌『我楽多文庫』の創刊から変遷、そして数々の雑誌発行と廃刊を繰り返した硯友社の歴史と、社中の変化について綴ったものである。執筆の動機や、創設時の仲間との交友、各雑誌の編集・発行の裏側が語られる。

尾崎紅葉

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夙て硯友社の年代記を作つて見やうと云ふ考を有つて居るのでありますが、書いた物は散佚して了ふし、或は記憶から消え去つて了つた事実などが多い為に、迚も自分一人で筆を執るのでは、十分な事を書く訳には行かんのでありますから、其の当時往来して居つた人達に問合せて、各方面から事実を挙げなければ、沿革と云ふべき者を書く事は出来ません、

其に就て不便な事は、其昔朝夕に往来して文章を見せ合つた仲間の大半は、始から文章を以て身を立る志の人でなかつたから、今日では実業家に成つて居るのも有れば工学家に成つて居るのも有る、其他裁判官も有る、会社員も有る、鉄道の駅長も有る、中には行方不明なのも有る、物故したのも有る、で、銘々業が違ふからして自から疎遠に成る、長い月日には四方に散じて了つて、此方も会ふのが億劫で、いつか/\と思ひながら、今だに着手もせずに居ると云ふ始末です、今日お話を為るのは些の荒筋で、年月などは別して記憶して居らんのですから、随分私の思違ひも多からうと思ひます、其は他日善く正します、

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