TORENDIA
幸福が遅く来た
なら
生田春月
TORENDIA
幸福が遅く来たなら
本文約300字 ・ 読了時間 約1分
あらすじ(AIが作成しました)
あまりに遅れてやって来た「幸福」に、もはや心を許せない身の上を、蒼ざめた少女「嘆き」を伴侶にたとえて詠む、生田春月の詩。
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🎧 幸福が遅く来たなら / 朗読音声: VOICEVOX:九州そら
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『幸福』よ、巷で出逢つた見知らぬ人よ、
お前の言葉は私に通じない!
冷たい冷たいこの顔が、私の求めてゐたものだらうか?
お前の顔は不思議な親みのないものに見える、
そんなにお前は廿年、遠国をうろついてたんだ、
お前はもはや私の『望』にさへ忘れてしまはれた!
よしやお前が私の許嫁であつたにしても、
あんまり遅く来た『幸福』を誰が信じるものか!
私は蒼ざめた貧しい少女の手に眠る、
少女よ、どんなにお前は軟かく、枕のやうに
夜毎痛む頭をさゝへてくれるだらう!
少女よ、お前の名前は何と云ふ?
もしか『嘆き』と云やせぬか?
そんなら行つて『幸福』に言つてくれ、
お前さんの来るのがあんまり遅いので
もはや私があの人のお嫁になりましたと!
完