世界は平和を欲す
本文約980字 ・ 読了時間 約2分
あらすじ(AIが作成しました)
冷戦下の国際情勢における戦争挑発への批判を綴る。当時の新聞報道が伝える軍備拡張の動きを分析し、アメリカやソ連の動向を俯瞰しながら、平和を渇望する世界中の人々や婦人組織の連帯を示す。日本の読者、特に若い女性たちに向けて、戦争という惨劇を回避するためには、他国の動向を傍観するのではなく、自ら平和を望む意志を明確に自覚し、その権利と自由を主体的に行使していくことの重要性を説く。
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日本の新聞はアメリカの良心的な市民が読んだら怒るだろうほどおく面ない調子で、アメリカに原子爆弾よりも殺リク力を持った、放射線の雲を作ることが発明されたと報じています。建物を破壊しないで人間はセン滅するから原子爆弾よりも有効であるなどと人間ならば言いかねる言葉を日本の新聞は書いております。しかしまた同じ日本の新聞はほんの小さく世界戦争の危機は迫っていないという大統領に立候補するスタッセンの言明をのせています。同じく大統領候補者のウォーレスは、
「戦争ちょう発はアメリカ人民自身の幸福を破壊するものである」
と。こうしてみると戦争ちょう発の舞台で二人の主人公のように扱われているアメリカもソヴェトもまたつづけて血なまぐさい騒動をくり返してみたところで何の役にも立たないことを十分に知っています。さもなければ一方の軍備拡張が大騒ぎで宣伝されている時に一方の国がゆうゆうと軍備縮小をするはずがありません。
ところでまず私たち自身が平和を希望していることをはっきり自覚しなければなりません。
世界に何千何万人の未亡人がいるか、孤児がいるか、戦災者がいるか、この人たちはみんな戦争を欲していません。
この社会を発展させようとしている世界の婦人は戦争を欲していない、彼女たちの涙がそれを教えました。
世界民主婦人連盟は八千万の婦人を平和のために組織しています。ファシストのイタリーで青年たちは驚く程多数平和のための青年組織に組織されています。客観的な状勢が平和の可能をもっており、世界の人類がそれを望まない時日本の人だけが未開の国の人のようにまるでそれが地震か何かのように起るだろうか起らないだろうかと心配しているとすれば、それはあんまりみじめなことではありませんか。
世界の婦人が二度とあの無惨な経験をしたくない、平和をこそ欲していることを日本の婦人ははっきり知らなければなりません。自分一人の平和の希望でないことを知らなければなりません。こわいものみたさでそれに気分を引き入れられるような、弱い女の無責任を演じてはならないのです。