学者アラムハラドの見た着物
本文約5,700字 ・ 読了時間 約12分
あらすじ(AIが作成しました)
学者アラムハラドは、楊の林にある塾で十一人の子供たちに、火や水、鳥がそれぞれ持つ固有の性質を説き、人としての真理を求める心の大切さを教える。ある日、山へ向かった一行は急な雨に見舞われ、木々の合間に不思議な着物を着た人々の幻影を垣間見る。本作は、学者が自身の教えと山の雨の中で目にした謎めいた着物について、その不思議な体験を綴る。
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学者のアラムハラドはある年十一人の子を教えておりました。
みんな立派なうちの子どもらばかりでした。
王さまのすぐ下の裁判官の子もありましたし農商の大臣の子も居ました。また毎年じぶんの土地から十石の香油さえ穫る長者のいちばん目の子も居たのです。
けれども学者のアラムハラドは小さなセララバアドという子がすきでした。この子が何か答えるときは学者のアラムハラドはどこか非常に遠くの方の凍ったように寂かな蒼黒い空を感ずるのでした。それでもアラムハラドはそんなに偉い学者でしたからえこひいきなどはしませんでした。
アラムハラドの塾は街のはずれの楊の林の中にありました。
みんなは毎日その石で畳んだ鼠いろの床に座って古くからの聖歌を諳誦したり兆よりももっと大きな数まで数えたりまた数を互に加えたり掛け合せたりするのでした。それからいちばんおしまいには鳥や木や石やいろいろのことを習うのでした。
アラムハラドは長い白い着物を着て学者のしるしの垂れ布のついた帽子をかぶり低い椅子に腰掛け右手には長い鞭をもち左手には本を支えながらゆっくりと教えて行くのでした。
そして空気のしめりの丁度いい日またむずかしい諳誦でひどくつかれた次の日などはよくアラムハラドはみんなをつれて山へ行きました。
このおはなしは結局学者のアラムハラドがある日自分の塾でまたある日山の雨の中でちらっと感じた不思議な着物についてであります。
一
アラムハラドが言いました。