本文へ移動
TORENDIA

瘠我慢の説

本文約10,200字 ・ 読了時間 約21分

あらすじ(AIが作成しました)

国家の衰退期において、勝利の望みがなくとも最後まで屈せず戦うことを「瘠我慢」と呼び、それが立国の大本であり国民の義務であると説く。明治維新に際し、徳川幕府を解きながら新政府で要職に就いた勝海舟や榎本武揚に対し、旧臣としての節操を問う。富貴を得るために功名を損なうことは避け、武士としての矜持を保つべきであると論じ、士風の維持と後世への教訓として瘠我慢の精神の重要性を主張する。

福沢諭吉

🎧 まだ音声版はありません

リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 15

立国は私なり、公に非ざるなり。地球面の人類、その数億のみならず、山海天然の境界に隔てられて、各処に群を成し各処に相分るるは止むを得ずといえども、各処におのおの衣食の富源あれば、これによりて生活を遂ぐべし。また或は各地の固有に有余不足あらんには互にこれを交易するも可なり。すなわち天与の恩恵にして、耕して食い、製造して用い、交易して便利を達す。人生の所望この外にあるべからず。なんぞ必ずしも区々たる人為の国を分て人為の境界を定むることを須いんや。いわんやその国を分て隣国と境界を争うにおいてをや。いわんや隣の不幸を顧みずして自から利せんとするにおいてをや。いわんやその国に一個の首領を立て、これを君として仰ぎこれを主として事え、その君主のために衆人の生命財産を空うするがごときにおいてをや。いわんや一国中になお幾多の小区域を分ち、毎区の人民おのおの一個の長者を戴てこれに服従するのみか、つねに隣区と競争して利害を殊にするにおいてをや。

福沢諭吉の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本