TRENDIA CLASSIC
レモンの花の咲
く丘へ
国枝史郎
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この Exotic の一巻を
三郎兄上に献ず、
兄上は小弟を愛し小弟
を是認し小弟を保護し
たまう一人の人なり。
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序に代うるの詩二編
孤独の楽調
三味線の音が秋の都会を流れて行く。
霧と瓦斯との青白き光が
Mitily の邦の悲哀を思わせる
宵。……………………
唄うを聞けや。
艶もなき中年の女の歌、
節は秋の夜の時雨よりも
凋落の情調ぞ。
私の思い出は涙ぐみ
ただ何とはなしに人の情の怨まるる。
その三味線と女の歌の聞こゆる間。
木の葉が瓦斯の光に散っている。
君代さん
さし櫛に月の光が落ちている
君代さん。
冴えた霜夜の
秋の白さ。
涙ぐみつつ露は窓のガラスに伝い
老いたる木の葉は散っている。
君代さん
十八の君代さん
鼈甲のさし櫛は
若いあなたには老けすぎた。
(別れし夕の私の印象。)
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死に行く人魚
時代 騎士の盛なりし頃
場所 レモンの花の咲く南の国
人物 序を語る人
公子
女子
領主
従者
Fなる魔法使い
騎士、音楽家、使女、童、(多数)
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序を語る人
旧教僧侶の着る如き長き黒衣を肩より垂れ、胸に紅き薔薇花をさす。青白き少年の仮面を冠る。
独白――
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