TRENDIA CLASSIC

おさなごを発見せよ

羽仁もと子

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おさなごは、子宝のなかのさらに貴い宝です。この生きた宝物を新しい心でながめていると、あらゆる喜びとあらゆる望みが、つぎつぎとそのなかに発見されて、じっとしてはいられない気になります。

まず第一に、いま生まれたみどりごが、お産婆の手よりも何よりも、自分で生きる力をあたえられているのだということを、たしかに自覚している母親は幾人あるでしょう。都会の新式の家にすむ知識階級の母親から、農村の茅屋にすんでいる母親まで、赤ん坊や幼児の強い自力に気がついていないことにおいては、全然同一ではないかと思われます。その結果知識階級の母親は、そのもっている知識のために、しぜん子供を神経的に取り扱うようになり、無知な母親はただその感情のおもむくままに、かわいがったり叱ったりするだけのことになります。

おさなごを新たに発見するとはどういうことであるか。いいかえれば、おさなごはみずから生きる力をあたえられているもので、しかもその力は親々の助けやあらゆる周囲の力にまさる強力なものだということを、たしかに知ることです。のみならず、そうしてその強い力が、われわれに何を要求しているかを知ることです。人は赤ん坊のときから、その生きる力はそれ自身のなかにあります。母親が自分のもっている知識や感情を先にたてて、知らずしらず赤ん坊のみずから生きる力を無視していると、赤ん坊というものは容易にその方によりかかって、そうして自分のなかに強く存在しているところのみずから生きる力を弱めてゆくものです。

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