TORENDIA
おさなご
羽仁もと子
TORENDIA
おさなご
本文約5,400字 ・ 読了時間 約11分
あらすじ(AIが作成しました)
幼児の生命には、親から受け継いだ罪と能力、そしてその子独自の人格という三つの側面が存在することを論じる。親は子が罪を自覚しない幼少期のうちに、その欠点やわがままに真剣に向き合い、適切な助けを与える必要がある。また、子供の内に秘められた能力を正しく伸長させ、一人ひとりの独立した人格を尊重し、信頼関係を築くことこそが、幼児を真に愛し導くための道であると説く。
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🎧 おさなご / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう
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かわいいおさなご、幼児はいまもむかしも世界に充満しているけれど、そうして愛らしい意味でも、手のかかる意味でも、私たちの注意をその身のまわりにひきつけずにはおかない彼らだけれど、幼児というものをほんとうに知った人は、むかしから幾人いたでしょう。そうしてだれでも幼児をかわいがるけれど、本当の意味でかわいがる人は事実たくさんいないように思われる。おとなも子供もそれだからかわいそうである。
「汝ら幼児の如くならざれば天国に入る能わず」といって、ナザレのイエスは私たちに幼児を知れとおっしゃった。なるほど子供には罪がない、あんなにならなくてはというのだと単純にそう思う人は、すでに幼児を知らないのだと思います。なぜなら幼児にも親ゆずりの罪が十分あるからです。ただ彼らはそれを知らないのです。知らなくても罪があれば、そのある罪がはたらいて、またその上に新しい罪をつくりだしてゆきます。この大切なことをまず知らないで、どうして幼児がわかりましょう。この重大な事実をかるくみて、どうして幼児にほんとうにふかい同情をもつことができましょう。本当の同情なくして、どうしてほんとうに彼らを愛することができましょう。