本文へ移動
TORENDIA

親子の愛の完成

本文約5,900字 ・ 読了時間 約12分

あらすじ(AIが作成しました)

親子は本能的に愛し合っていると過信されがちだが、現代の社会環境ではその結びつきは希薄になりやすい。親が自身の都合や手柄を優先する独りよがりな愛情を捨て、子供の視点に立って真に謙虚な同情を注ぐ努力こそが、親子の愛情を完成させる道であると論じる。子供を自分自身の一部と見なさず、一人の人間として深く理解し慈しむことが、結果として真の親子の絆を築き、双方の幸福に寄与することを説く。

羽仁もと子

速度
🎧 親子の愛の完成 / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 9

一

人は結婚して夫婦になれば、だれでもどうしたら二人のあいだがつねに幸福に結びついてゆかれるだろうかと考えて、できるだけの努力をしようと思わない人はないでしょう。私たちが子供をあたえられると、どうかしてこの子を立派な人になるように教育したい教育したいと思います。けれどもだれも親子のあいだの愛情が進歩してゆくように、限りなくつづくようにと、祈ったり祝したりする人はないように思います。それは親と子というものは、いわゆる血をわけた仲なので、天然自然に本能的に愛し合っているものだから、愛情の方面は、おたがいに濃やかなれと祈るまでもなく、希望するまでもなく、安心なものだという気があるからでしょう。しかし親子の愛を、ただその本能の力にばかり任せて問題にしないのは、差しつかえないことでしょうか。

親子の愛もまた親と子が双方から多くの努力をしなければ完成することのできないものです。近来いろいろと世上の有様を見るにつけて、親子の愛情の完成は、夫婦の愛の完成とおなじように、すべての人々によってふかく考えられ、強く主張されなければならないことだと、もっとも切に感じています。

二

羽仁もと子の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本