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TORENDIA

探偵小説思い出話

本文約2,600字 ・ 読了時間 約6分

あらすじ(AIが作成しました)

昭和初期の探偵小説懸賞募集における自身の当選体験や、探偵雑誌「ぷろふいる」の創刊から廃刊に至るまでの軌跡を回想する。創刊当初の困難な状況や五年間にわたる刊行の奇蹟、編集方針を綴るとともに、誌上で展開された木々高太郎と甲賀三郎による「探偵小説芸術論」と「探偵小説通俗論」の論争、新人発掘の苦心、および当時の探偵小説壇に携わった作家たちとの交流や思い出を記録する。

山本禾太郎

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🎧 探偵小説思い出話 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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新青年ではじめて探偵小説の懸賞募集をやったのは昭和何年であったか、戦災による罹災で書籍や参考記録の一切を焼いてしまった私の手元では、今はっきりと判らないが、何でも枚数は五十枚、賞金は一等五百円であったかと思う。

その時故人夢野久作さんの『押絵の奇蹟』と私の『窓』が当選した。この発表にさきだって応募作品全部の題名と作者の氏名が発表されたが、何でも応募総数は四百編位であったと思う。ところが、その応募者総覧のなかに私の氏名が見当らぬ。郵送の途中紛失したものか、或は編輯部でどこかにまぎれこんでしまったものか、私は作品に折角自信を持っていただけに残念でたまらず、直接編輯部へ書面で問合せたところ森下雨村氏から返事があって「貴作は優秀作として入選している、応募者総覧に漏したのは作品を名古屋在住の選者小酒井不木氏に送付後あの総覧を作ったので題名と、作者名が判らず出たら目の名で編輯を終ったものである」との返事に接した。

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