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TORENDIA

中世の文学伝統

本文約114,800字 ・ 読了時間 約230分

あらすじ(AIが作成しました)

中世における和歌文学の変遷を論じる。和歌が中世文学の主軸としてどのような役割を果たしたかを考察し、藤原俊成や西行、後鳥羽院、藤原定家、源実朝らを通じた文学精神の展開を描く。また、勅撰和歌集の撰定過程や、宮廷貴族の手から民間へと伝統が移行する過程で連歌師宗祇らによって古今伝授が果たした役割を追い、和歌の伝統が変容していく様相を概観する。本書は、時代精神の圧力下で執筆された当時の制約を抱えながらも、中世の伝統文学の主軸に迫る。

風巻景次郎

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改版の序

本書が版を改めて世に出る時を持ちえたについては、並み並みでなく感慨を強いられるものがある。

私は昭和十四年の年末に原稿を書きあげて、翌年一月二十日づけの序をしたためた。そして本書の初版は二月二十日の日附で刊行されている。それは日本的なるものの強調から日本主義にすすみ、林内閣の祭政一致の宣言から国民精神総動員へと急激に傾きつつあった一時期である。その線に沿って思想や研究やの統制は、きおい立つ力で強められていった。学界の一部は幾分自ら進んで自由を狭め、真理の探究を投げ打って、そうした精神統制に挺身追随したように見えたが、中でも国文学界は挙げて時潮に狂奔するもののような疑いさえ蒙った。本書もそうした時期において書かれたものであった。

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