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TORENDIA

手紙

本文約780字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

六月十六日に認めたこの書簡は、幕末の混乱期における朝廷や諸藩の動向への憂慮と、現状を静観する池蔵とその家族への思いを綴る。著者自身は病の床にあるものの、国事への懸命な姿勢を説き、妻子への助言を交えながら、周囲の冷淡な世論に惑わされぬよう諭す。また、義に生きる女性の逸話や自身の体験した出来事にも触れ、激動の時代を生きる覚悟と信念を家族へ伝える内容となっている。

坂本龍馬

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🎧 手紙 / 朗読音声: VOICEVOX:九州そら

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いさゝか御心をやすめんとて、

六月十六日に

認候文。       直陰

龍馬よりも申上候。扨、蔵が一件ハ今 朝廷のおぼしめしもつらぬかず、土州を初メ諸藩のとの様がた皆国にかへり、蔵が心中にハ思よふ土州など世の中のあまりむつかしくなき時ハ、土佐のとの様を初、江戸でも京でも唯へら/\と国家をうれへるの、すべつたのとやかましくいゝひろき、当今に至りていよ/\むつかしく相成てハ国本を見つくろふとか、なんとか名をつけにげて行、このごろ将軍さへ江戸へかへり候よふのつがふとなり、実に此  神州と申義理も勢もなく、今上様をいづくの地へおくやらさらにがてんゆかず、実にはづべきことなり。此かずならぬ我なりと、何とぞして今上様の御心をやすめたてまつらんとの事、御案内の通り朝廷というものハ国よりも父母よりも大事にせんならんというハきまりものなり。

御親るいを初メ杉山さんなども、を国を後にし父母を見すて、妻子を見すてするハ大義にあたらずとの御事ならん。それハ/\実当時のヘボクレ役人や、あるいハムチヤクチヤをやぢの我国ヒイキ我家ヒイキにて、男子とし(て)の咄にあらず。おまへがたを初、蔵がをくさんたちも長刀などふりくり廻しながら、ヘボクレ義論にどふいしてメソ/\なきだしなどしてハ、実に蔵をはづかしめ候。龍ハ当時ハ病気にてけしてきづかハしき事なけれども、文などしたゝめ候ハ、誠にいやなれども鳥渡御咄申上候。

此次にハ私があねにも文をやり申候。このごろまことにめづらしき咄しが、たくさんあり申候。弘井岩之助のかたきうち○二条殿内の人にて、宮中[#「宮中」の左に「みやつかへ」のルビ]につかハれこれありしむすめ、実に義のあるむすめにて、今でハ身をくがいにしづめこれある事。○龍がある山中にて女が人にすてられてまよいいたるを、金をあたへ老人をもつておくりつかハしたる事など、其外色御咄後より申上候。

龍拝 池蔵尊母

完

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