本文へ移動
TORENDIA

手紙

本文約730字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

郷里の兄へ宛てたこの書簡は、自身の養子縁組に関する切実な願いと、海外渡航をも辞さない修業への覚悟を綴る。一国の狭い視点を超えて世界へ目を向けるべきだという持論を説き、動乱の時代において私事よりも天下の大局を優先する決意を示す。故郷を離れて江戸で勝麟太郎の指導のもと攘夷の渦中に身を置く現状を伝え、家族の将来を憂いつつも、自らの志を貫くための一貫した姿勢を実兄の茂太郎へ切々と訴える。

坂本龍馬

👁 1 ビュー
速度
🎧 手紙 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 1

家兄より(京)より大坂までおこし候文ニ付て、さし出申候存意、

○彼養子のつがふハ積年の志願ニて、先年も度々申出候得(共兎角)兄が(心)配ニ相掛候事なれば終に立服致候ほどの事にて候ハ、雅兄ニもよく御存の所ニて候。又兼而雅兄が御論ニも土佐一国にて学問致し候得バ、一国だけの論(に)いで(世界を)横行すれバ、又夫だけの目を開き、自ら天よりうけ得たる知を開かずバならぬとハ、今に耳ニ残居申候。一昨年頃に(も今年)今日有事ハ相分り申候故ニ、存意書を認候て家兄ニも出し、親類共ニも相談致しくれ候。其文ニも勢ニよりてハ海外ニも渡り候事も、これ可レ有故猶さら生命も定兼候。且又龍馬年四十ニ相成候まで修行仕度、其時ニハ兄上ハ御年六十ニも及候ものなれバ、家政も御らん被レ成候には今の内より可レ然人、御見立被レ下度との文も有レ之候。其文猶御らん被レ下度候。今時の武稽修行と申ハ、元亀天正ころの武稽人の如く時々、戦争の場に出合実の稽古致し申候よふ相成申候。

当時於二江戸一も弥攘夷と申に相成、勝麟太郎殿其事に與、元より幕よりも重く被レ命候事ニて候。猶龍馬らも要ニ有レ之候て江戸よりの書状八月廿八日ニ参り同九日ニ大坂を発足致事ニ相成候。右の件ニ候得バ元より天下の事ニ引くらべ候得バ、一家の事ハかへり見るにいとまなし。

又すこしも家兄の家の後致し候事ハ、念を出すべき事ハ無レ之候。

龍馬が内に帰らねバ養子もできず、家兄にまで大きに心配相かけ候とならバ、又々出奔か死か可仕より外なし。

何卒以前の御心ニ変り無レ之候時ハ、養子のつがふ御つけ被二成下一度候。早々

恐惶謹言 八月十九日龍馬 茂太郎様 足下 此状のをもむきにてうしおへよしもとなどにも御申被レ下度、川田金平などには猶々御儀論被レ下度候。

かしこ

完

坂本龍馬の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本