TRENDIA CLASSIC
公孫樹
石川啄木
1 / 1
秋風死ぬる夕べの
入日の映のひと時、
ものみな息をひそめて、
さびしさ深く流るる。
心のうるみ切なき
ひと時、あはれ、仰ぐは
黄金の秋の雲をし
まとへる丘の公孫樹。
光栄の色よ、など、さは
深くも黙し立てるや。
さながら、遠き昔の
聖の墓とばかりに。
ま白き鴿のひと群、
天の羽々矢と降りきて、
黄金の雲にいりぬる。――
あはれ何にかたぐへむ。
樹の下馬を曳く子は
たはれに小さき足もて
幹をし踏みぬ。――あゝこれ
はた、また、何ににるらむ。
ましろき鴿のひと群
羽ばたき飛びぬ。黄金の
雲の葉、あはれ、法恵の
雨とし散りぞこぼるる。
今、日ぞ落つれ、夜ぞ来れ。――
真夜中時雨また来め。――
公孫樹よ、明日の裸身、
我、はた、何に儔へむ。
十一月十七日夜
石川啄木の他の作品
TRENDIA CLASSIC
一日中の樂しき
時刻
石川啄木
一日中の樂しき時刻
石川啄木 ・ 約2分
TRENDIA CLASSIC
一利己主義者と
友人との対話
石川啄木
一利己主義者と友人との対話
石川啄木 ・ 約16分
TRENDIA CLASSIC
農村の中等階級
石川啄木
農村の中等階級
石川啄木 ・ 約3分
TRENDIA CLASSIC
無名會の一夕
石川啄木
無名會の一夕
石川啄木 ・ 約1分
TRENDIA CLASSIC
無題
石川啄木
無題
石川啄木 ・ 約3分
TRENDIA CLASSIC
予の地方雜誌に
對する意見
石川啄木
予の地方雜誌に對する意見
石川啄木 ・ 約1分
TRENDIA CLASSIC
足跡
石川啄木
足跡
石川啄木
TRENDIA CLASSIC
新しい歌の味ひ
石川啄木
新しい歌の味ひ
石川啄木
TRENDIA CLASSIC
郁雨に與ふ
石川啄木
郁雨に與ふ
石川啄木
TRENDIA CLASSIC
足跡
石川啄木
足跡
石川啄木
TRENDIA CLASSIC
A LETTE
R FROM
PRISON
石川啄木
A LETTER FROM PRISON
石川啄木
TRENDIA CLASSIC
「一握の砂」廣
告
石川啄木
「一握の砂」廣告
石川啄木