本文へ移動
TORENDIA

AU MAGASIN DE NOUVEAUTES

本文約550字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

百貨店を舞台に、幾何学的な図形や香水の匂い、人体や機械の断片的なイメージを羅列する。四角が重なる閉鎖的な空間で、往来する人々や物の動きを実験的な文体で切り取り、近代都市の日常に潜む非日常的な情景と、対象と自己が交錯する感覚を詩的に綴る。

李箱

👁 1 ビュー
速度
🎧 AU MAGASIN DE NOUVEAUTES / 朗読音声: VOICEVOX:九州そら

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 1

四角の中の四角の中の四角の中の四角 の中の四角。

四角な円運動の四角な円運動 の 四角 な 円。

石鹸の通過する血管の石鹸の匂を透視する人。

地球に倣つて作られた地球儀に倣つて作られた地球。

去勢された襪子。(彼女のナマヘはワアズであつた)

貧血緬※[#「糸+鉋のつくり」、U+2B0E0、313-8]。アナタノカホイロモスヅメノアシノヨホデス。

平行四辺形対角線方向を推進する莫大な重量。

マルセイユの春を解纜したコテイの香水の迎へた東洋の秋。

快晴の空に鵬遊するZ伯号。蛔虫良薬と書いてある。

屋上庭園。猿猴を真似てゐるマドモアゼル。

彎曲された直線を直線に走る落体公式。

文字盤にに下された二個の濡れた黄昏。

ドアアの中のドアアの中の鳥籠の中のカナリヤの中の嵌殺戸扉の中のアイサツ。

食堂の入口迄来た雌雄の様な朋友が分れる。

黒インクの溢れた角砂糖が三輪車に積荷れる。

名刺を踏む軍用長靴。街衢を疾駆する造花金蓮。

上から降りて下から昇つて上から降りて下から昇つた人は下から昇らなかつた上から降りなかつた下から昇らなかつた上から降りなかつた人。

あのオンナの下半はあのオトコの上半に似てゐる。(僕は哀しき邂逅に哀しむ僕)

四角な箱棚が歩き出す。(ムキミナコトダ)

ラヂエエタアの近くで昇天するサヨホナラ。

外は雨。発光魚類の群集移動。

完

李箱の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本