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TORENDIA

一九三一年 作品 第一番

本文約1,200字 ・ 読了時間 約3分

あらすじ(AIが作成しました)

肺の病で入院した私は、無機物と化した血液や顔面に生えた草など、非日常的な現象に翻弄される。精虫の一元論や脳髄替換といった難解な問題に執着し、鏡の屈折や時間、空間の計算に没頭する中で、周囲で起きる奇妙な事件や断片的な記録に遭遇する。無機論を信奉する青年が、鏡に映る自己の存在や世界の方程式を追い求める過程で直面する、断絶と混迷の物語を描く。

李箱

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🎧 一九三一年 作品 第一番 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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一  私ノ肺ガ盲腸炎ヲ病ム 第四病院ニ入院 主治医盗難――亡命ノ噂立ツ

季節遅レノの蝶々ヲ見ル 看護婦人形仕入

模造盲腸ヲ制作シ 一枚ノ透明硝子ノ彼方ニ対称点ヲ設ク 自宅治療ノ妙ヲ極ム

遂ニ 胃病併発シテ 顔面蒼白 貧血

二  心臓去處不明 胃ニアリ 胸ニアリ 二説紛紛シテ食い止めない

多量ノ出血ヲ見ル 血液分析ノ結果 私ノ血ハ 無機物ノ混合デアルト判明シ

退院 巨大でシヤープナ 記念碑建ツ 白色少年ソノ前面ニテ狭心症タメニ斃ル

三  私ノ顔面ニ草ガ生エタ 之ハ不撓不屈ノ美徳ヲ象徴スル

私ハ自ラヲ此上モナイ忌ミ 等辺形コースノ散歩ヲ毎日トナク続ケタ 疲労ガ来タ

嵐ニ図ルヤ、之ハ 一九三二年五月七日(父親ノ死日)大理石発芽事件の前兆デアツタ

ガソノ時ノ私ハ未ダ一個ノ 方程式無機論ノ熱烈ナル信奉者デアツタ

四  脳髄替換問題 遂ニ重大化サル

私ハ秘カニ 精虫ノ一元論ヲ固持シ 精虫ノ有機質ノ分離実験ニ成功ス

有機質ノ無機化問題 残ル

R青年公爵ニ邂逅シ CREAM LEBRA ノ秘密ヲ聞ク 彼ノ紹介ニヨリ梨嬢ニ相識シ 例ノ問題ニ 光明見エル

五  混血児Y 私トノ接吻ニ依リ毒殺サル

監禁サル

六  再ビ入院ス 私ハ斯クモ暗澹タル運命ニ直面シ自殺ヲ決意シ 秘カニ 一挺ノ匕首(長サ三尺)ヲ手に入レタ

夜陰ニ乗ジテ私ハ病室カラ脱ケ出タ 狗ガ吠ヘタ 私ハココゾトバッタリニ[#「バッタリニ」はママ] 匕首ヲ私ノ臍に突差シタ

不幸ニモ 私ヲ逮捕ニ追躯シテ来タ私ノ母ガ私ノ背中ニ 私ヲ抱イタマゝ[#「抱イタマゝ」はママ]殺害サレテイタ 私ハ無事デアツタ

七  地球儀ノ上ニ逆立チ シタト云フ理由デ私ハ第三インタナシヨナル党員タチ カラ袋叩キニサレタ

ソシテ 操縦士ノナイ飛行機ニ乗セラレタマヽ空中ニ放サレタ 酷刑ヲ哂ツタ

私ハ地球儀ニ近ヅク 地球ノ財政ノ裏面ヲ コノ時厳密仔細ニ検算スル機会を得タ

八  娼婦ノ分娩シタ死児ノ皮膚一面ニ刺青ガ施サレテアツタ 私ハソノ暗号ヲ解題シタ

ソノ死児ノ祖先ハ徃昔機関車ヲ轢イデソノ機関車ヲシテ流血淋漓 逃ゲサラレタ一世ノ豪傑ダツタト云フコトガ記録サレテイタ

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