本文へ移動
TORENDIA

作業機械

本文約320字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

脳も性慾も持たぬ機械が石炭の力で昼夜回り続け、職工がその一部と化して酷使される様を描き、事故で腕を喰われる瞬間を鋭く告発する細井和喜蔵の労働詩。

細井和喜蔵

速度
🎧 作業機械 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 1

材料は金属と木と革――有抵抗の物体――

構造は胴と軸と車と槓杆と発条

こいつには脳味噌がないんだ!

こいつには性慾がないんだ!

だが

月と日が惚れ合って

互に近づいて遂に性交したとき

流れ出た汚物の凝固したもの 石炭!

石炭は思い出から燃え上る 天然勢力!

機械は動く

調革…………調車

軸

歯車

偏心輪

槓杆……発条

回転 衝程 弧動――昇降

機械はまわる

晩から朝まで 朝から晩まで

こいつを人間が使ってだ

人々がその慾望を楽々と慰められると思ったが

奴等 金持がにっこりと微笑したに止って

機械の運転者――職工――は機構の一部となってしまった

機械的労働

十二時間

十八時間

徹夜!

寝ぼけてしまった職工

だが機械は疲れず高速度回転!

あっ? 機械が腕を喰った

血……血……血………

(『鎖』一九二三年七月号に発表)

完

細井和喜蔵の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本