瞼の母 二幕六場
本文約24,900字 ・ 読了時間 約50分
あらすじ(AIが作成しました)
番場の忠太郎は、幼い頃に生き別れた母を捜し求めて各地を渡り歩く股旅の博徒である。母が水熊という店にいるとの情報を得てようやく探し出すが、再会を求めて対面した母から冷たくあしらわれる。自身の抱く母への情愛と、突き放される現実に苦悩する忠太郎は、母への複雑な思慕を抱えながら、再び孤独な旅路へと踏み出す。血の繋がった親子の情を巡り、忠太郎が自身の心と対峙する姿を描く物語である。
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〔序幕〕第一場 金町瓦焼の家(春)
第二場 夏の夜の街(引返)
第三場 冬の夜の街
〔大詰〕第一場 柳橋水熊横丁
第二場 おはまの居間
第三場 荒川堤(引返)
番場の忠太郎 夜鷹おとら 洗い方藤八
水熊のおはま 素盲の金五郎 煮方子之吉
その娘お登世 鳥羽田要助 出前持孫助
金町の半次郎 突き膝喜八 女中おふみ
半次母おむら 宮の七五郎 小女おせう
半次妹おぬい 板前善三郎 銭を乞う老婆
芸者三吉・およつ・魚熊・魚北・帳場与兵衛・通行の男女・唄好きの酔漢・母を迎える男・寄席帰りの母・渡し舟のもの・出入りの頭・駕丁・そのほか。
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〔序幕〕
第一場 金町瓦焼の家(春)
江戸川沿岸、南寄りの武州南葛飾郡金町の瓦焼惣兵衛の家。
嘉永元年の春。夕暮れ近くより夜にかけて――。
右手寄りに母屋(土間への入口と障子の嵌った縁側付きの座敷)。草葺のがッしりとした建築、中央から左手へかけ瓦焼場、竈が幾つかある。その奥は低き垣、外は立木のある往来。
おぬい (惣兵衛の妹。餌を拾う鶏を小舎へ追い込む振りをして、それとなく外を見張っている) 子供 (数人、隠れん坊をして、往きつ来つして遊んでいる)
旅姿の下総の博徒突き膝の喜八と宮の七五郎、往来へきて立ちどまる。