TRENDIA CLASSIC

俳諧大要

正岡子規

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ここに花山といへる盲目の俳士あり。望一の流れを汲むとにはあらでただ発句をなん詠み出でける。やうやうにこのわざを試みてより半年に足らぬほどに、その声鏗鏘として聞く者耳を欹つ。一夜我が仮住居をおとづれて共に虫の音を愛づるついでに、我も発句といふものを詠まんとはすれどたよるべきすぢもなし、君わがために心得となるべきくだりくだりを書きてんやとせつに請ふ。答へて、君が言好し、昔は目なしどち目なしどち後について来ませとか聞きぬ、われさるひじりを学ぶとはなけれど覚えたる限りはひが言まじりに伝へん、なかなかに耳にもつぱらなるこそ正覚のたよりなるべけれ、いざいざと筆をはしらし僅かにその綱目ばかりを挙げてこれを松風会諸子にいたす。諸子幸ひにこれを花山子に伝へてよ。

第一 俳句の標準

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