TRENDIA CLASSIC

早稲田大学の教旨

大隈重信

1 / 4

閣下、諸君、今日は早稲田大学の三十年の祝典を挙ぐるに当り、見渡す限りこの大なる式場にほとんど溢れる如く参列されたのを感謝するのである。ことに吾人の最も光栄と致すのは、欧米諸国先進なる文明諸国の百有余の大学から祝辞を送られたのを衷心より感謝するのである。ことに著名な欧米の名誉ある大学から参列者を送られたことを早稲田大学の名誉として深く感謝致すのである。私はここに強大なる列国の全権大使全権公使諸閣下にもご案内致しておきまして、その多数はご出席のご承諾を得た。これまた学校として深く感謝致すところである。抑々教育はその意味に於て世界的であるのである。世界の文明は何に因って導かれたかと申すと、全く世界の学術の結果である。世界の文明は学術が根本である。而して学術の根本は大学に在る。真理には国境なし。真理は大学を透して世界の上に働いているのであります。この早稲田大学は創立以後僅かに三十年であるが、吾人はこの大学より時代の要求に応ずる人才の数多輩出することを希望しておったのである。ご承知の通り明治十五年にこの大学は現れたのである。専門学校として現れたのである。その時に学問の独立を標榜して現れたのである。而してこの三十年間に日本の文運、政治上、法律上、社会上の状態は非常に進歩したと同時に、この学苑の教旨そのものも次第に拡充されたのである。ここに於てこの創立三十年祝典を機とし、我が早稲田大学の教育の趣旨、即ち教旨を宣言するの必要を感じたのである。即ちこの場合に於て、数ヵ条の宣言を朗読致します。

大隈重信の他の作品