国民教育の複本位
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あらすじ(AIが作成しました)
女子教育の重要性を論じる。国家の真の富強は国民の智識と性格に由来し、その根本を培養する教育が不可欠である。しかし従来の教育は男子に偏り、女性を服従の対象としてきた。社会の源である夫婦関係を鑑み、国民を男女の「複本位」で捉えるべきと主張する。女子の智識向上は家庭教育の改善を通じ、国家の基礎を堅固にする。成瀬仁蔵が計画する女子大学の必要性を認め、国家の健全な発展のため諸君の積極的な支援を呼びかける。
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〔成瀬君からの依頼〕 諸君、今日は成瀬〔仁蔵〕君より諸君に向って何か一言述べる様にという事でありました。実は私は教育家でない。なかんずく女子教育という事については学んだ事もなければ、またそれほど深く注意をした事もない。それで甚だ迷惑であるからご免を蒙りたいといって再三辞退を申したけれども、是非何か述べる様にというので不肖を顧みず一言述べようと思います。
昨年成瀬君にお目に懸りまして、女子大学を興すというお話を承りまして、初めて女子大学の大切なる事を承りました。一体私は学問というものはない、また教育上の智識も経験も無いに拘わらず、成瀬君の女子大学設置に熱心な賛成を致し、且つご依頼に依て多少知るところの友人、その他に向って成瀬君のためにこの大学に力を尽すように誘導してくれと頼んだ。それについて私は成瀬君の説を聞いて少しく感じが起ったから、その感じの起ったゆえんを一言しようと思う。
〔国の基礎は国民の智識と性格〕 漠然たる話の様でありますが、私が常に感じておりますのは、先刻から色々細かなご議論がありまして、また近衛〔篤麿〕公爵よりも家庭教育の大切であるという事を述べられましたが、まあ少しくそれに類するような事もあります。