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TORENDIA

大戦乱後の国際平和

本文約5,200字 ・ 読了時間 約11分

あらすじ(AIが作成しました)

大戦乱後の国際平和は、第一次世界大戦を国際間の大競争と捉え、その根本に伏在する民族的僻見と軍国主義を論じる。かつてのローマ帝国のような世界統一主義から、現代の民族的統一主義への変遷を辿りつつ、排他的な帝国主義がもたらす悲劇を指摘する。将来の真の平和実現には、人道に基づき人種の区別や民族的偏見を一掃し、四海兄弟の理想を追求する必要があると説く。過去の戦争が新たな平和の礎となった歴史を振り返り、戦争の惨禍に対する人類の自覚と理性による国際協調の重要性を提言する。

大隈重信

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将来の世界の平和の予想  今度スタンホルドのジョルダン博士が会長となって、桑港に於て平和会議が開かれる。日本からも是非人を出してくれということであったから、誰かに行ってもらおうと思ったが、誰も行かれぬ。仍って向うに行っている服部宇之吉氏と海老名弾正氏、二人とも平和協会の会員だからこの二人に列席してもらうことにしたが、何か日本の会長として祝文でもやってくれということであった。そこで、後に掲げている祝文を送った。

実は、文明諸国の国内は既に平和だ。多少の争いはあるといっても、例えば日本でいえば、党派の争い、政友会とか同志会とかの争いであるけれども、これは平和の上の争いである。そうすると、今日の平和ということは国際間の問題である。そこで、今度の大戦乱も国際間の大競争であって、その根本には民族的競争が伏在するのである。この民族的競争と世界大戦争と国際平和との関係を説いて、将来の世界の平和を予想してみよう。まず古代の帝国主義、即ちすべての民族を集合する古代帝国主義、換言すれば、今日の民族的帝国主義に非ざる古代主義より説いてみよう。

古代の帝国主義  古代の帝国主義は、民族的観念を根本とせぬので、即ち種々雑多の異民族を征服集合するというのであった。例えば、希臘人は自国以外を野蛮国と呼び、これを征服するを主義としたのである。故に、かつてマセドニヤの使節は希臘の「エートリヤン」会議で他人種、即ち野蛮人バーバリヤンと我が希臘人とは永久に戦争すべしと叫んだ。

支那もまたその通りで、自国以外を東夷、南蛮、北狄、西戎といった。これは希臘人と同じである。漢武帝、成吉汗等は、その眼中に映じ来る他国を一々民族の如何を問わず征服するという、古代の帝国主義者であったのである。

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