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TORENDIA

北越雪譜

本文約63,700字 ・ 読了時間 約128分

あらすじ(AIが作成しました)

越後国魚沼郡塩沢に住む鈴木牧之が、雪深い北越の地勢、古跡、風習、そして雪に閉ざされた冬の暮らしを綴る。豪雪地の元日の光景や、正月十五日の斎の神の祭といった民俗的な行事を詳細に描写するほか、恩を報いる鶴にまつわる伝承を収録する。本書は、四季の移ろいとともに変化する雪国の生活と、厳しい自然環境に順応しながら生きる人々の姿を描く。

京山人百樹刪定

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北越雪譜二編 巻一

越後塩沢   鈴木牧之  編撰 江戸     京山人百樹 増修

○ 越後の城下

越後の国往古は出羽越中に距りし事国史に見ゆ。今は七郡を以て一国とす。東に岩船郡(古くは石に作る海による)蒲原郡(新潟の湊此郡に属す)西に魚沼郡(海に遠し)北に三嶋郡(海による)刈羽郡(海に近し)南に頸城郡(海に近き処もあり)古志郡(海に遠し)以上七郡也。城下は岩船郡に村上(内藤侯五万九千石ヨ)蒲原郡に柴田(溝口侯五万石)黒川(柳沢侯一万石陣営)三日市(柳沢弾正侯一万石陣営)三嶋郡に与板(井伊侯二万石)刈羽郡に椎谷(堀侯一万石陣営)古志郡に長岡(牧野侯七万四千石ヨ)頸城郡に高田(榊原侯十五万石)糸魚川(松平日向侯一万石陣営)以上城下の外頗豊饒[#「豊饒」の左に「ニギハヒ」の注記]を為す処、魚沼郡に小千谷、古志郡に三条、三嶋郡に寺泊○出雲崎、刈羽郡に柏崎、頸城郡に今町なり。蒲原郡の新潟は北海第一の湊なれば福地たる論を俟ず。此余の豊境は姑略す。此地皆十月より雪降る、その深と浅とは地勢による。猶末に論ぜり。

○ 古哥ある旧蹟

蒲原郡の伊弥彦山(弥一作夜)伊弥彦社を当国第一の古跡とす。祭るところの御神は饒速日命の御子天香語山命なり。 元明天皇の和銅二年の垂跡とす。(社領五百石)此山さのみ高山にもあらざれども、越後の海浜八十里の中ほどに独立して山脉いづれの山へもつゞかず。右に国上山、左に角田山を提攜[#「提攜」の左に「カヽヘ」の注記]して一国の諸山是に対して拱揖[#「拱揖」の左に「コシヲカヽメル」の注記]するが如く、いづれの山よりも見えて実に越後の鎮[#「鎮」の左に「マモリ」の注記]ともなるべき山は是よりほかにはあらじとおもはる。さればこそ命もこゝに垂跡まし/\たれ。此御神の縁起或は験神宝の類記すべきあまたあれども姑こゝに省。

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