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TORENDIA

柿の木のある家

本文約15,400字 ・ 読了時間 約31分

あらすじ(AIが作成しました)

フミエと洋一が暮らす家には、村で唯一毎年実をつける大きな柿の木がある。親戚の三太郎おじさんはこの柿をこよなく愛し、二人の子供である双子の誕生を見守る家族の絆の中心に、いつもこの柿の木が存在する。その後、二人が大切に育てていた木に小さな実がつく頃、双子の一人である新之助が三太郎おじさんの養子として迎えられる日が訪れる。物語は、柿の木が温かな家族の営みと子供たちの成長を静かに見守り続ける姿を描く。

壺井栄

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一

フミエと洋一の家には、裏に大きな柿の木が一本あります。それは子どもの一かかえもあるほどりっぱな木でした。小さい木は幾本もありましたが、とびぬけて大きいのは一本だけです。柿のあたり年は、普通一年おきだということですが、この柿は毎年なるのでおじいさんが生きている時分にはじまんのたねでした。こんな柿は村に二本とないからです。その実の大きくてうまいことといったら、三太郎おじさんなど、柿の実のうれるころになると、まるで子供のようにうれしそうな顔をして、柿をもらいにきました。

「まったく、柿も年をとるとだんだん実が小さくなるというのに、これはめづらしいですな。来年の春には一つ、この木をつがしてもらいましょう。」

そのくせおじさんは春になると、つい柿のことをわすれてしまいました。

「おじいさんにそういって、うちの小さい木を一本もらえばいいのに。」

あるとき洋一がそういうと、おじさんはにこにこしながら、

「いいよ。しんるいなんだから、柿ぐらい食べにきてもいいだろ。」

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