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TORENDIA

夢

本文約1,100字 ・ 読了時間 約3分

あらすじ(AIが作成しました)

ニューヨークのジユリウス・ネルソンによる四千の夢の記録を基に、晩夢・夜夢・朝夢の分類や、夢の発生と周期性を科学的に検証する。また、マカリオが研究した病兆夢の事例を挙げ、身体の不調や疾患が睡眠中の夢にどのように表れるかを詳述する。夢が持つ生理学的な意味や精神状態との関連性を、最新の医学的知見に基づき解明する論考である。

森鴎外

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🎧 夢 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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カントが発狂の階梯だと恐れた夢を自身に検究する事に再び着目したるは、新約克のジユリウス、ネルソン Julius Nelson です、既に記録した夢の数は四千あつて、短いのは一語で写され、長いのには百語を費す、ネルソンは夢を区別して晩夢、夜夢、朝夢の三としたり、晩夢は疲労の日に継ぐもので、大抵日業の継続から悲壮的の結末を示し――昼間氷の戯をなし夕にもこれを夢み遂に僵る――醒める時には筋肉の劇動をし又は叫喚す、夜夢は日間神経の刺衝興奮に継ぐ――火災の後に烟火の昇るを、点竄をなす後に難符号の出るを、聴楽の後に音響を夢みる――飲酒はこれを促す、朝夢は安眠の間に貧血になつて居たのが充血するの結果、その充血の少ない時には後で僅に夢を見たと思ふのみ、充血が多ければこれを記憶す、凡そ夢の中で面白いのは朝夢で平生忘れて仕舞た瑣末な事が思ひも掛けず浮き出し様々に変化せられ、敷衍せられ、走馬燈の如く、劇部の場面の如く、時間も空間も放縦自在となり、頃刻の間に数十年の事を瞥見するは独り邯鄲の枕に依る計りではなし、

次にネルソンは夢記の単複で夢の劇易を測り、これを弧に作つて見たに二十八日毎に弧線が跳上する、二十八日は即ち太陰暦の月に当る、然し真の月輪満虧には関係せずネルソンは是れを以てハムモンド Hammond の曾て信じた「男子月経」 Katamenia masculina の明証と云へり。

この消長はまた一年の中にも見えて三四月の弧線は尤も低く十一、十二月は尤も高し(Americ. Journal of Psychol., I, 3.)

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