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TORENDIA

弘法大師の文藝

本文約25,200字 ・ 読了時間 約51分

あらすじ(AIが作成しました)

弘法大師の文藝を論じる講演録。大師の著作である『文鏡秘府論』を中心に、当時の詩文の法則やその編纂由来を解説する。また、古文献の引用における大師の記述が、現存する書物より当時の原形を留めていることを指摘し、文献学的価値を論じる。あわせて、大師の筆法が韓方明から継承されたとの説を裏付ける歴史的背景や、遺墨に対する批評的研究について見解を述べる。

内藤湖南

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弘法大師の事に就きましては、年々こちらで講演がありまして、殊に今日見えて居ります谷本博士の講演は、私も拜聽も致し、又其の後小册子として印刷せられましたものも拜見いたしました。それで先づ弘法大師に關する總論と申しますか、兎に角弘法大師に關する全般の觀察に就きましては、殆ど谷本博士の講演に盡きて居りますので、其の外に別に新らしい事を見付け出し得ようと云ふことはありませぬ。其の後矢張り同僚の一人松本博士などからも、何か密教に關する講演がありましたさうです。それは私共一體分りませぬことでありますから、是はどうせ讀んでも分らぬと思つて、餘り拜見も致しませぬ。それから又是はこちらで講演をせられたものではないのでありますけれども、印刷物として配布せられたのに、幸田露伴博士の何か小册子がありましたやうで、是も弘法大師の文學上に關係したもので、是も一通りは拜見いたしました。何れも皆結構なもので、何も其外に私が今日新らしく申上げようと云ふことはありませぬ次第でございます。

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