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TORENDIA

藏書家の話

本文約3,000字 ・ 読了時間 約6分

あらすじ(AIが作成しました)

清朝の蘇州で活躍した黄丕烈や汪士鐘、そして悲劇的な晩年を迎えた張金吾ら、書籍に情熱を注いだ藏書家たちの生涯を綴る。彼らは単なる収集家にとどまらず、古書の校勘や出版に心血を注ぎ、後世にその価値を遺した。内藤湖南は、全財産を投じて蔵書を愛し、やがては離散や喪失という運命に翻弄された彼らの姿を通じ、中国近代における書籍への執心と、それが歴史や文化に果たした役割を論じる。

内藤湖南

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清朝はその初頃から有名な藏書家が多く、錢謙益及その族孫錢曾、又は季振宜などは、順治より康煕の初年に有名であるが、併し藏書家の最盛期は乾隆の中頃以後にあるので、乾隆の末から嘉慶を經て、道光の初頃まで居つた蘇州の黄丕烈は最も有名で、殆ど清朝を通じて第一の藏書家と言つてよいのである。

黄丕烈は宋版の本百餘種を得て、百宋一廛と號した。この頃の藏書家は、單に收藏の多きに誇るのみでなく、又多く古版の本を得ることを努めて、而もその上に古版を以て通行の本を校勘することを努めた。この黄丕烈は、その點に於ても最も名高い人であるが、この人の刻した士禮居叢書は、多くは宋版その他古版の本を飜刻して、精巧を極めたので、清朝に出版された叢書の中でも最も善い本と言はれ、今日に於てはその値の高きことも、殆ど古版の本に匹敵するほどで、我國に傳來したものは恐らく二部位に過ぎない。

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