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TORENDIA

震災日記より

本文約6,400字 ・ 読了時間 約13分

あらすじ(AIが作成しました)

大正十二年九月一日、上野での展覧会見物中に突如発生した大地震を体験する。猛烈な揺れを経て会場から屋外へ出た筆者は、倒壊した石燈籠や土埃に包まれる下谷の惨状を目の当たりにし、東京全域の火災を予見する。帰宅後も火災の広がりや避難者の流入、さらに流言飛語に直面しながら、食料の確保や家族の安全を守りつつ被災生活を送る様子を、科学者の視点を交えて克明に記録する。

寺田寅彦

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大正十二年八月二十四日 曇、後驟雨

子供等と志村の家へ行った。崖下の田圃路で南蛮ぎせるという寄生植物を沢山採集した。加藤首相痼疾急変して薨去。

八月二十五日 晴

日本橋で散弾二斤買う。ランプの台に入れるため。

八月二十六日 曇、夕方雷雨

月蝕雨で見えず。夕方珍しい電光 Rocket lightning が西から天頂へかけての空に見えた。丁度紙テープを投げるように西から東へ延びて行くのであった。一同で見物する。この歳になるまでこんなお光りは見たことがないと母上が云う。

八月二十七日 晴

志村の家で泊る。珍しい日本晴。旧暦十六夜の月が赤く森から出る。

八月二十八日 晴、驟雨

朝霧が深く地を這う。草刈。百舌が来たが鳴かず。夕方の汽車で帰る頃、雷雨の先端が来た。加藤首相葬儀。

八月二十九日 曇、午後雷雨

午前気象台で藤原君の渦や雲の写真を見る。

八月三十日 晴

妻と志村の家へ行きスケッチ板一枚描く。

九月一日 (土曜)

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