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TORENDIA

余はベンメイす

本文約5,800字 ・ 読了時間 約12分

あらすじ(AIが作成しました)

世間から「情痴作家」の烙印を押された著者が、自身の文学的立場や社会的責任をめぐる問いに対し、反論を試みる随筆。作家は自らの生を捧げて書き、自我の責任において表現する存在であり、安易な弁明や社会通念に従うことは拒絶する。作中では、猥褻と見なされる文学や快楽への向き合い方を論じつつ、既成概念に縛られず真理を探求し続ける自身の姿勢を綴る。

坂口安吾

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🎧 余はベンメイす / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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先日朝日評論のO氏現れ、開口一番、舟橋聖一のところには日に三人の暴力団が参上する由だが、こちらはどうですか、と言ふ。こちらはそんなものが来たことがない。来る筈もないではありませんか。

東京新聞のY先生(なぜなら彼は僕の碁の師匠だから)が現れての話でも、世間ではもつぱら情痴作家と云つてますが、御感想いかゞ、と言ふ。すると、それから、西海と東海と東京と三つの雑誌と新聞から同じやうなことを言つてきて、私の立場に就いて、弁明しろと言ふ。弁明など考へたこともないから、しろと云つても、無理だ。

朝日評論のO氏も弁明を書けといふ。まるでどうも、私が東京裁判情痴部といふやうなところへ引きだされて目下訊問を受けてゐるやうにきめこんでゐる様子で、私も恐縮したが、まつたく馬鹿げた話である。

かうきめつけられては、てれてニヤ/\する以外に手がなくなつて、さうかね、私は情痴作家ですか、などと云ふと、知友の筈のY先生まで、舟橋・織田も情痴作家とよばれることを厭がりますね、などと取りすましてゐる。とりつく島がない。

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