本文へ移動
TORENDIA

入院患者

本文約22,700字 ・ 読了時間 約46分

あらすじ(AIが作成しました)

シャーロック・ホームズの伝記作者ワトソンは、ある雨の日にホームズが自身の観察力を披露して自身の思考を読み解く様子を描く。その後、トレベリアン医師のもとを訪れた老紳士とその息子の来院をきっかけに、過去の銀行強盗事件に関与した人物の復讐と、それに翻弄される男の正体を巡る物語が展開される。本作は、かつての裏切りに対する制裁と、探偵によるその背景の解明までをたどる事件のあらましを綴る。

コナンドイル

🎧 まだ音声版はありません

リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 30

私の友シャーロック・ホームズ独特な人格をよく出しているお話をしようと思って、たくさんの私の記憶をさがす時、私はいつもあらゆる方面から私の目的に添うような話をさがし出そうとして苦労するのである。なぜなら、ホームズがその心理解剖に全力を注いだと思われるような事件、あるいはまた犯罪捜査に特別な方法を見せたと思われような事件は、事実において、みなさんにお話してもつまらないだろうと思われるような簡単な普通な事件が多いのだ。またその反対に、事件がかなり特異なもので劇的なものを彼が捜査した場合もあるのだが、そうした時にはしばしば、彼は彼の伝記作者として私が話してほしいと思っているにもかかわらず、何も話してくれなかったのである。私が『真紅の研究』と題して集めた小事件、またグロリア・スコット号の消失事件と共にあつめてあるもの、そうしたものは、彼の研究を永遠に悩ますであろう所の彼の両面、――シルラと渦巻(訳者註――イタリーのメッシナ海峡にはシルラと称する六頭の怪物と大渦巻とありて、その海峡をすぐる船はその二つのうち、いずれかの一つに必ず捕われたりと云う)――の好見本である。――ところでこれからお話しようと思っている事件については、実はホームズはそれほど充分に活躍してはいないのだ。が、しかもなお、その事件のすべてのつながりは、彼の伝記的物語から、これを除外することがどうしても出来ないほど、特異なものなのである。

コナンドイルの他の作品

同じジャンルの朗読つきの本