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興津弥五右衛門の遺書

本文約7,100字 ・ 読了時間 約15分

あらすじ(AIが作成しました)

興津弥五右衛門は、主君三斎忠興の命を受け、長崎で香木購入の任に就く。しかし、仙台藩の役人と本木の購入を巡って激しく対立し、相役の横田清兵衛が主命を軽んじて妥協を勧めたことに激昂し、これを討ち果たす。主君よりその忠義と名木購入の功を称えられ、後に再造の大恩に報いるため、一族の行く末を案じながら京都で切腹を遂げるまでの経緯を、子孫のために遺書として書き記す。

森鴎外

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某儀明日年来の宿望相達し候て、妙解院殿(松向寺殿)御墓前において首尾よく切腹いたし候事と相成り候。しかれば子孫のため事の顛末書き残しおきたく、京都なる弟又次郎宅において筆を取り候。

某祖父は興津右兵衛景通と申候。永正十一(十七)年駿河国興津に生れ、今川治部大輔殿に仕え、同国清見が関に住居いたし候。永禄三年五月二十日今川殿陣亡遊ばされ候時、景通も御供いたし候。年齢四十一歳に候。法名は千山宗及居士と申候。

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