TORENDIA
神経
織田作之助
TORENDIA
神経
本文約13,700字 ・ 読了時間 約28分
あらすじ(AIが作成しました)
正月、社会の悲しい世相やラジオから流れる紋切型の演出に神経を苛立たせていた私は、京都の青楼で出会った少女や、戦後の大阪千日前で再会したかつての馴染み客たちとの交流を通じ、変化する街の姿を追う。極限の状況下でズルチン入りの甘味を求める人々を目の当たりにし、もはや恐怖さえ麻痺したような自身の神経と、不自由な世を生き抜く人々の日常を描き出す随筆的な色彩を持つ作品。
🎧 まだ音声版はありません
リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。
💰 この本を応援する(投げ銭)
1 / 18
一
今年の正月、私は一歩も外へ出なかった。訪ねて来る人もない。ラジオを掛けっ放しにしたまま、浮浪者の小説を書きながら三※[#小書き濁点付き片仮名カ、321-上-4]日を過した。土蜘蛛のようにカサカサの皮膚をした浮浪者を書きながら、現実に正月の浮浪者を見るのはたまらなかった。浮浪者だけではない。外へ出れば到る所でいやでも眼にはいる悲しい世相を、せめて三※[#小書き濁点付き片仮名カ、321-上-7]日は見たくなかった。が、ラジオのレヴュ放送を聴いていると、浮浪者や焼跡や闇市場を見るよりも一層日本の哀しい貧弱さが思い知らされた。
近頃レヴュの放送が多い。元来が見るためのレヴュを放送で聴かせるというのがそもそも無理な話で、いかにも芸がなさ過ぎるが、放送局への投書によれば、レヴュ放送を喜んでいるファンもあるという。戦争中禁じられていたものを聴きたいという反動の現れだろうか。
織田作之助の他の作品
TORENDIA
道なき道
織田作之助
道なき道
織田作之助
TORENDIA
天衣無縫
織田作之助
天衣無縫
織田作之助
TORENDIA
雪の夜
織田作之助
雪の夜
織田作之助
TORENDIA
それでも私は行
く
織田作之助
それでも私は行く
織田作之助
TORENDIA
夜光虫
織田作之助
夜光虫
織田作之助
TORENDIA
夜の構図
織田作之助
夜の構図
織田作之助
TORENDIA
秋深き
織田作之助
秋深き
織田作之助
TORENDIA
ひとりすまう
織田作之助
ひとりすまう
織田作之助
TORENDIA
婚期はずれ
織田作之助
婚期はずれ
織田作之助
TORENDIA
雨
織田作之助
雨
織田作之助
TORENDIA
俗臭
織田作之助
俗臭
織田作之助
TORENDIA
放浪
織田作之助
放浪
織田作之助
同じジャンルの朗読つきの本
TORENDIA
赤ずきんちゃん
グリム兄弟 Bruder Grimm
赤ずきんちゃん
グリム兄弟 Bruder Grimm ・ 約9分
TORENDIA
夏向きの一夜
山之口貘
夏向きの一夜
山之口貘 ・ 約7分
TORENDIA
ロシヤに行く心
宮本百合子
ロシヤに行く心
宮本百合子 ・ 約2分
TORENDIA
エハガキの激賞
文
牧野信一
エハガキの激賞文
牧野信一 ・ 約13分
TORENDIA
大川の水
芥川龍之介
大川の水
芥川龍之介 ・ 約11分
TORENDIA
又三郎の学校
小穴隆一
又三郎の学校
小穴隆一 ・ 約6分
TORENDIA
魚の憂鬱
薄田泣菫
魚の憂鬱
薄田泣菫 ・ 約3分
TORENDIA
十五夜のお月様
村山籌子
十五夜のお月様
村山籌子 ・ 約3分