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TORENDIA

共産黨宣言

本文約35,500字 ・ 読了時間 約71分

あらすじ(AIが作成しました)

共産主義同盟の綱領として起草された本書は、プロレタリヤ階級とブルジョア階級の対立構造を明らかにする。大産業の発展に伴いブルジョアジーは自身の墓掘り人を産出する点や、資本主義の構造的矛盾を指摘し、プロレタリヤによる革命の不可避性を説く。各国における社会民主党や急進派との関わりを定義し、既成の社会組織を革命的に転覆する目的を公言する。堺利彦による日本語訳の経緯と、その歴史的資料としての意義を付記する。

堺利彦訳

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日本譯の序

この日本譯は、最初、第三章を除いて、週刊『平民新聞』第五十三號(明治三十七年十一月十三日發行)に載せられたところ、忽ち秩序壞亂として起訴され、裁判の結果、關係者はそれぞれ罰金に處せられた。しかしその裁判の判決文には、『古の文書はいかにその記載事項が不穩の文字なりとするも、……單に歴史上の事實とし、または學術研究の資料として新聞雜誌に掲載するは、……社會の秩序を壞亂するといふ能はざるのみならず、むしろ正當なる行爲といふべし』とあつた。そこで私は次にその譯文に多少の修正を加へ、および第三章を譯し添へて、今度は『單に歴史上の事實』として、また『學術研究の資料』として、『社會主義研究』第一號(明治三十九年三月十五日發行)に載せた。(その時には、前の共譯者幸徳はアメリカに行つてゐたので、第三章は私ひとりで譯した。)

しかるに、その『社會主義研究』も程へて後(大逆事件當時)發賣を禁止され、その後今日に至るまで、『共産黨宣言』日本譯の公刊は不可能の状態になつてゐるが、いかに日本が野蠻國で、いかに保守的反動が強いにしても、もう遠からずして、言論自由の範圍が、せめて明治三十九年當時くらゐに復舊する時節は來るだらうと思はれる。その時には、私はぜひともこの『學術研究の資料』を出來るだけ早く世に出したいと思つてゐる。ところが、近ごろその古い譯文を讀み返してみると、第一、文體の古くさいことが厭で堪らない。それにあの時は、單にイギリス譯から重譯したのでもあり、また譯し方の拙いところや、不正確なところや、間違つたところも大ぶんある。そこで私は今度、その古い譯文をドイツ語の原文と引合せ、また部分的には河上肇氏および櫛田民藏氏の譯文をも參照し、出來るだけ精密に訂正を加へて、口語體に書き直すことにした。幸徳が生きてゐたら何といふか知らんが、私はやはりこの新譯に彼と二人の名を署しておく。

ドイツ語の新版には、一八七二年のマルクス、エンゲルスの序文のほか、一八八三年のと一八九〇年のと、エンゲルスの序文が二つ載つてゐる。しかしその内容は次に記したイギリス譯の序に盡されてゐる。

大正十年五月 堺利彦

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