本文へ移動
TORENDIA

浅草燈籠

本文約6,000字 ・ 読了時間 約13分

あらすじ(AIが作成しました)

浅草の風俗や演芸場を巡る記憶を綴る。著者は浅草オペラの活気ある時代を回想し、沢モリノへの淡い恋心や、当時の女優たちの数奇な半生を辿る。また、縁のあった港家小亀をはじめとする芸人たちの姿や、大正から昭和にかけての変化しゆく街の景色、戦火に焼かれた自身の旧跡と人々への追悼を記し、失われゆく江戸情緒と大正文化の断片を記録として残す。

正岡容

速度
🎧 浅草燈籠 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 8

大正文化の一断片たる浅草オペラの楽屋並びにその俳優たちの生活を最も具さに美しく描破してゐるものは、谷崎潤一郎氏の「鮫人」だらう。何ゆゑに作者はあの秀作の筆を半途にして擲つてしまつたか、大正浅草風俗文化史の上からも一大痛恨事と云はざるを得ない。宇野千代、十一谷義三郎、浜本浩と同じ世界を材とした小説はそのゝちも寡くないが、「鮫人」のたゆたな力量感を上越す作品はまだ出現を見ないやうである。

「評判の、日本館の歌劇をみに入る。――舞踊劇「暗黒」といふものをみる。髪を長くしたり、異様な帽子をかぶつたりした芸術家の群をこゝかしこに見いだす。さかんに声のかゝることもうはさのとほり、われ/\の知らないうちに、われ/\の知らない時代の来たことを考へる」

正岡容の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本