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TORENDIA

懐疑思潮に付て

本文約11,800字 ・ 読了時間 約24分

あらすじ(AIが作成しました)

自然主義文学の根底にある懐疑的傾向を論じる。作者は、自然主義者らが抱く既存の哲学や道徳への懐疑を、裸の王様の物語における少年の直言に例えつつ考察する。王を裸と喝破した少年の姿勢には学ぶべき自省の精神がある一方、すべての人間を裸であると決めつける懐疑論者の姿勢には虚偽が含まれると批判する。そして、盲目的に自然主義へ同調する弊害を警戒し、その思想の真偽を見極める必要性を説く。

朝永三十郎

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「懷疑思潮に付て」といふ題で御話を致します。前の文學會の席上で厨川文學士の自然主義に付ての御講演がありました。私の講演も矢張り自然主義に關係して居るのである。併し私は文藝には言はゞ門外漢であります。我邦の自然主義の作物などをチヨイ/\見て、文藝の觀賞者として之に對する漠然たる感想とでも云ふべき者はありますけれども、之と密接の關係を有つて居ると稱せられて居る西洋の作物や又は西洋の文藝の歴史といふ樣なものには非常に暗い。で、こんな公會の席上で文藝の上よりして組織的に自然主義を論評するといふ資格を缺いて居るのであります。其故に、只今は此自然主義の重な動機の一となつて居ると思はるゝ而して一部の自然主義者も亦た自らさう公言して居る懷疑思潮に付て一言したいと思ふ。

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