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TORENDIA

四つの道徳

本文約350字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

溺れる子供のそばを通りかかった四人の人間が、それぞれ異なる動機で行動する寓話。見返りのためでも内的満足のためでもなく、人類の一分子として無意識に飛び込む者こそ真の道徳だと説く大杉栄の思想的小品。

大杉栄

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🎧 四つの道徳 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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小児が河の中に溺れている。そこを四人の人が通り掛かる。

その一人は思った。自己はただ自己のためにすれば善い。彼はそ知らぬ顔をして通り過ぎた。

もう一人は考えた。もしあの児を助けたら、神様はきっと何かの褒美を下さるに違いない。彼はただちに水の中に飛び込んだ。

もう一人も考えた。人の満足には、内的満足と外的満足との二種類がある。しかして、人を助けるのはその前者に属して、永久に続くところの快感を得る道である。救わざるべからず。彼もまた、ただちに水の中に飛び込んだ。

もう一人は、幼少の頃より自己は人類の一分子であると教えられている。したがって、人の苦痛は即ち我が苦痛である、人の幸福は即ち我が幸福であると感じている。されば、その小児の叫び声を聞くや否や、何等の考うるところなく、ほとんど無意識に水の中に踏り込んだ。

完

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