TRENDIA CLASSIC

牡丹燈籠 牡丹燈記

田中貢太郎

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日本の幽霊は普通とろとろと燃える焼酎火の上にふうわりと浮いていて、腰から下が無いことになっているが、有名な円朝の牡丹燈籠では、それがからこんからこんと駒下駄の音をさして生垣の外を通るので、ちょっと異様な感じを与えるとともに、そのからこんからこんの下駄の音は、牡丹燈籠を読んだ者の神経に何時までも遺っていて消えない。

この牡丹燈籠は、「剪燈新話」の中の牡丹燈記から脱化したものである。剪燈新話は明の瞿佑と云う学者の手になったもので、それぞれ特色のある二十一篇の怪奇談を集めてあるが、この説話集は文明年間に日本に舶来して、日本近古の怪談小説に影響し、延いて江戸文学の礎石の一つとなったものである。

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