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TORENDIA

窓にて

本文約340字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

裏庭の葉を落としたいちじくの木に、霜の中でも芽吹く新芽を見出し、その生命力に自らを信じ直す山村暮鳥の詩。

山村暮鳥

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🎧 窓にて / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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うらの窓から見ると

すぐ窓下の庭にあるひねくれ曲った一本の木

すっかり葉っぱの落ちつくした

それは大きないちじくの木だ

そこに槇の生垣がある

その外は一めんの野菜畠で

菜っぱや大根が葱もいっしょに青々としている

その上をわたってくる松風や浪の音

朝々のきっぱりした汽船の汽笛

みよ雪のようなけさの大霜を

河向うの篠やぶでは

鵙がひきさかれるような声をして鳴いている

ふたたび裏庭のいちじくの木をみると

いままで自分はきづかなかったが

もうその枝々には

どの枝々のさきにも

みんなおなじように新芽の角がいろづいている

此の氷のような世界につきだした槍の穂先

あのあらしの中から伸びでて

何という強さであろう

此の健康をみろ

此の生の力を

いまこそ自分は自分を信ずる

(『労働文学』一九一九年四月号に発表 『山村暮鳥全集』第一巻を底本)

完

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