TRENDIA CLASSIC
全体の一人
陀田勘助
TRENDIA CLASSIC
全体の一人
陀田勘助
🎧 聞ける化(音声で聴く)
朗読音声: VOICEVOX:青山龍星
1 / 1
独房の中にたった独りでいるおれは決して孤立したものでない 全体の中の部分だ! おれはどこから生れてき、また何を背負っているか! 両親のまた両親とおれの系統をたどってゆくとき、 おれの前には数万人の祖先が立っている 独房の中にいるたった独りのおれの身体は数万人の祖先の血と肉で組織されているのだ そして、物質の組織――神経系統に花咲いた精神も、それゆえに数万人の――いやもっともっと多数の知識の集積と結論できよう! たったひとりのおれでさえ永いながいそして複雑な歴史の結果であり将来の原因となり得るのだ たったひとり独房の中で考えているおれでも 全体の中の部分だ! だがこの推理は至って抽象的で、おれのすべての現実でないのだ! おれは投獄されたプロレタリアートの一人だ! ここからあらゆる思索を出発させなければならない おれの前に確乎として峙立つコンクリートの壁! ここからあらゆる思索を出発させなければならない おれの前に確乎として峙立つコンクリートの壁! このかなたにある 複雑きわまる対立をもつ全体の中の部分だ! (獄中から松田解子宛書簡一九三一年三月十九日付 『陀田勘助詩集』を底本)
陀田勘助の他の作品
TRENDIA CLASSIC
春がふたたび牢
獄にやってきた
!
陀田勘助
春がふたたび牢獄にやってきた!
陀田勘助 ・ 約1分
TRENDIA CLASSIC
二人の子持ちに
なった労働者の
おッ母あに贈る
陀田勘助
二人の子持ちになった労働者のおッ母あに贈る
陀田勘助 ・ 約1分
TRENDIA CLASSIC
おれの飛行船
陀田勘助
おれの飛行船
陀田勘助
TRENDIA CLASSIC
ある日
陀田勘助
ある日
陀田勘助
TRENDIA CLASSIC
たんぽぽとおれ
の感傷
陀田勘助
たんぽぽとおれの感傷
陀田勘助
TRENDIA CLASSIC
断片
陀田勘助
断片
陀田勘助
TRENDIA CLASSIC
手をさし延べよ
う!
陀田勘助
手をさし延べよう!
陀田勘助