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TORENDIA

ある日

本文約320字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

砂糖のような安逸と倦怠に浸りながらも、その沈頽を突き抜けようとする意志を、オブロモフや月蝕にたとえて詠む陀田勘助の詩。

陀田勘助

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🎧 ある日 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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砂糖のような安逸が

おれの感覚をにぶらしている

鍋底で倦怠だ! 憂鬱だ! と小声でつぶやいている

若い熱情が下駄の歯のようにすりへりそうだ

残火が火消壺で喘いでいる

短気な意志が放心した心臓をつかんでいる

そいつは滓だ

おれの食慾がめしを喰ってる

おれの性慾が女を恋しようとしている

オブロモフ! オブロモフ! オブロモフ!

倦怠をつぶやきながらも安逸は砂糖のように甘い

憂鬱の霧を逃れようともしないでおれはうずくまっている

だがそこを突きぬけようとする意志!

沈頽した牢獄に投げられた

やり場のない憤怒!

内抗する病菌だ!

月蝕だ!

月蝕だ!

熱情がむしばまれようとしている

月蝕が煙突の上にはいのぼる

(『鎖』一九二三年六月創刊号に発表 一九六三年八月国文社刊『陀田勘助詩集』を底本)

完

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