TRENDIA CLASSIC

手をさし延べよう!

陀田勘助

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食慾が針のように 空らっぽの胃を刺激する かつての日の満腹は夢のようだ 生きるために食うのか? 食うために生きるのか? どちらでもいい ここで議論は胃を満たさない おれたちは飢え渇えている

凧! 糸の切れた凧だ! 生存が切断される 同志よ おれたちは要求する 一握のめしを! 麺麭を! おれたちは食物を乞うのでない 生きてるゆえに 飢え渇えている者の要求だ おれたちは団結しよう! 生存を脅かされている同志よ 力は団結の上に!

生産者は飢え貧困は骨を肉をそいでいる 搾取者は満腹し豚のように喘いでいる 飢えたる同志よ 要求しよう 俺達の生存を! 反抗し 幕をたたっきれ! 鎖を! 重い鍵を! 覆える白き手を!

自動車の爆音が 美装した貴婦人の着物が 指環が おれたちの頭上で舞踏している ダンス・マカーブル、……グルルル…… ロンド! その足踏が! おれたちの胃の腑を空らっぽにしたんだ 慾望が忍従を棄てて生長した 燃える食慾 空らっぽの胃の腑は夢をみる 何?……何!

団結! その力の勝利! おれたちの手に麺麭! 誰から? おれたちの握り合った手だ 神 僧侶 寺院 政府 資本家 そいつらからめしが麺麭が来たか? いや、おれたちの手で おれたちの力で 同志よ! 掠奪された麺麭を握ろう

恩恵の一滴は過去の夢だ 慈善の報告が誇らかに巷に伝わっている だが ああ 日々おれたちは食慾に追跡されて 空らっぽの胃をたずさえて都会の街路を彷徨する

無数の慈善院 養老院 孤児院 施設病院 そいつらは高い看板を都会から始って地方に立てている

搾取者の寄付金か? くそ! いかめしい施療病院の煩雑な規則に 貧しい病人が殺されているんだ

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