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TORENDIA

凍土を噛む

本文約560字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

北満の凍土で負傷し苦しむ兵士たちが、故国への帰還を願いながら過酷な戦場の実態を綴る詩。屠殺場に送られる家畜のような境遇を嘆き、殺し合う労働者階級の連帯を訴える。戦争を中止し、中国やソ連の仲間と共に共同の戦線を築くべきだと主張し、銃創の痛みの中で故国の同志へ帰還の意志を呼びかける。

今野大力

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🎧 凍土を噛む / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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土に噛りついても故国は遠い

負いつ 負われつ

おれもおまえも負傷した兵士

おまえが先か

おれが先か

おれもおまえも知らない

おれたちは故国へ帰ろう

おれたちは同じ仲間のものだ

お前を助けるのは俺

俺を助けるのはお前だ

おれたちは故国へ帰ろう

この北満の凍土の上に

おれとお前の血は流れて凍る

おお赤い血

真紅のおれたちの血の氷柱

おれたちは千里のこなたに凍土を噛む

故国はおれたちをバンザイと見送りはしたが

ほんとうに喜こんで見送った奴は

俺達の仲間ではない

おれたちは屠殺場へ送られてきた

馬

豚

牛だ!

いつ殺されるかも知らない

おれたちは今殺されかけている

おれたちは故国へ帰ろう

土に噛りついても故国は遠い

だがおれたちは故国へ帰ろう

戦争とはこういうものだ

戦地ではおれたちの仲間がどうして殺されたか

あんな罪もない者を

殺すのがどんなに嫌でも

何故殺せと命ずるのか

殺す相手も

殺される相手も

同じ労働者の仲間

おれたちにはいま仲間を殺す理由はない

この戦争をやめろ

兵士は故国へ

おれたちの仲間

中国の仲間

そしてソヴェート・ロシアの仲間の

共同の戦線こそ勝利を固めよ

おお おれたちは今銃創の苦るしさに凍土を噛み

傷口から垂れた血の氷柱を砕きつつ

故国の仲間に呼びかけたい

おれたちは故国へ帰ろう

お前もおれもがんばろう

(『プロレタリア文学』一九三二年二月号に発表『今野大力・今村恒夫詩集』改訂版を底本)

完

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