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TORENDIA

老将軍と大学教授

本文約370字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

ハルピンの街角で新聞売りをする恰幅のよい白系露人を「老将軍」に、浮浪者然としたもう一人を「大学教授」に見立て、祖国に帰れぬ亡命者の姿を皮肉に描く今野大力の詩。

今野大力

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🎧 老将軍と大学教授 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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相当にぎやかな街の電柱の下のベンチに

素晴らしい将軍が休んでいる

私は写真を見てそう思った

が、この老将軍は

前歴が何だかわからない

ただぶくぶくした襟毛つきの厚っぽたい外套をきて

帽子はないが

ない方がずっと素晴しい頭髪やヒゲを効果的に見せるし

眉毛でも普通の人間とは凡そ縁遠い

逞ましくゆかりあり気な一人の人物と見える

だがこの老将軍は白系露字の新聞売である

日本人には驚くだけである

同じベンチにも一人いる

大学教授が一寸腰かけているようである

ところがこの男はルンペン

新聞を読んでいるが、

まだ春先き早い頃であろうに

うすっぺらなレインコートをきて

足を重ね片手をまたぐらに挟んでいる

やはり白系露人の一人

ブルジョア精神を捨てられず

労働がきらいで

ソヴェートに帰らずに新聞売とルンペンになっている彼等

彼らは何を夢見つつ

日本人の次第に進出する

ハルピンの街頭に佇むことか、

五・二〇

完

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