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TORENDIA

信姫

本文約450字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

光明皇子の妹「信」姫のありかを、黒檀の森や白檀の峰を越え、尼や阿闍梨に尋ねながらひたすら求め歩く、末吉安持の幻想的な恋慕の詩。

末吉安持

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🎧 信姫 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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君が家はそもいづこか。

大み慈悲の御使女、――

『光明』皇子のいもうと、

『信』姫に懸想しぬ。

はつ夏のあさぼらけ、

薔薇いろ雲の花やぎ

天そそり、吹く風に

妙なる香をも浮ぶるや、

いづこと教へよ、姫がありか。

黒檀の森わけて、

白檀の峰越えて、

菱の葉うかべる沼にし

杖すすぐ阿闇黎に問ひ、

苔の花さく古井に

阿伽を掬む尼に問へど、

怪しみがほの答へに、

『知らでや』と過ぎぬれば、

脚絆ぞあだに破れ朽つる。

ありか教へよ『信』姫、

君ならで誰につげむ、

年長う真暗の

深淵に醸みし清浄、

敬虔のあはれ恋。

人の世馴れぬ子なれば

足悩みがちの旅路や、

しばしは君が御膝に

帰依の額をうづめしめよ。

あな憂や、呼べど呼べと

山彦の音色さびて、

名もしらぬ朽木に

いまはた夕日落つるや、

わづらひの簑おびえに

逆だちて身ぶるひぬ、

この世はなれしきよらの

恋や、情や、理想や、

斎かむ日をし我は憂ふ。

形なき実相を

恋ふるわが性なれば

隠るる姫を、たゆまじ、

泣かでしもたづねなむ。

見よかなた、夢のごと

天華さく遠の雲、

我霊勇めよ、遍照の

光のうちに、大み慈悲の

姫が栄えの国ぞ見ゆる。

完

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