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TORENDIA

賤民概説

本文約63,500字 ・ 読了時間 約128分

あらすじ(AIが作成しました)

賤民の歴史を概説する本稿は、良民と賤民の境界が時代によって変動した事実を指摘し、社会の普通民の地位以下に置かれた人々を賤民と定義する。大化の改新以降の公民と奴婢の区分を辿りつつ、中世から近世にかけての穢多や非人といった層の変遷を考察する。戦国時代には下層身分からの立身も見られた一方、徳川時代には固定化された。社会の落伍者が時代に応じた名称で存在し続けてきた歴史的実態を提示し、現代社会における状況との連続性を論じる。

喜田貞吉

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1 緒言

「賤民」の研究は我が民衆史上、風俗史上、最も重要なる地位を占むるものの一つとして、今日の社会問題を観察する上にとっても、参考となすべきものが少くない。しかしながらその及ぶ範囲はすこぶる広汎に渉り、予が従来学界に発表したるものの如きは、いずれもこれが一部分の研究たるに過ぎず、しかもなお未だ研究されずして遺されたものまたすこぶる多く、今これを全般に渉って記述せんことは、到底この講座の容さるべきところではない。よってその詳述は、従来既に発表し、もしくは将来発表すべき部分的の諸研究に譲って、ここにはただ、かつて或る融和事業団体において講演せる草案をもととして、その足らざるを補い、なるべく広く多方面に渉って、その沿革を概説するに止めんとする。

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