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TORENDIA

錬金道士

本文約470字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

三日三晩、秘法書を繙き続ける錬金術師が、蘭引の滾る音や火蛇の精の悪戯に冥想を乱されながらも、なお業を修めようとする姿を描くルイ・ベルトランの散文詩。

ルイ・ベルトラン Louis Bertrand

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🎧 錬金道士 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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吾徒の術を修する法二あり。一は師に就いて口より口へ授かり、はたまた悟徹と示現とによつて過を知らんとす。また一の法は斯道の書を讀むにあれど、其文難解にして頗る晦澁なれば、人もしここに理と眞とを求めんとすれば、其心まづ精緻にして根氣よく勤勉にして且つ細心ならざる可からず。

ピエロ・コ「哲學奧義解」

まだいかぬ――而もわが身は三日三晩のその間、燈火の薄暗い光のもとにライムンド・ルルリの祕法書を繙いてゐた。

どうもいかぬ、唯ちらちらする蘭引の滾る音につれて、火蛇の精の嘲笑が聞えるばかり。彼はわが冥想を亂さうとして戯弄するのか。

或時は彼、わが鬚の中に爆發物を仕掛け、また或時は其弩よりして、わが上衣の上に火矢を放つ。

また彼が其武具を磨き立ててゐる時は、爐の下の灰が、呪文書の紙の上、机に載せた墨汁の中に吹きつけて來る。

その時蘭引はいよいよ、ちらついてきて、滾り嘯く其聲は、聖エロイ樣の火箸で鼻を撮まれた鬼の泣聲によく似てゐる。

然しまだいかぬ――そしてわが身はもう三日三晩のその間、燈火の薄暗い光のもとにライムンド・ルルリの祕法書を繙いてゐよう。

完

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