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この小講義は雑誌ホトトギス紙上(大正二年五月号以下)に「六ヶ月間俳句講義」として連載したものであります。一篇の主旨が俳句とはどんなものか、ということを説明するにあるのでありますから、今一冊子にまとめるに当たって、その通りに標題を改めました。
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緒言
近頃初めて俳句を作ろうと思うのだがどういうふうに作ったらよかろうか、とか、これから俳句に指を染めてみたいと思うのだがどんなふうに学んだらよいのか、とか、その他これに類した質問を受けることが多うございます。ことに、ずっと程度を低くした小学生に教えるくらいの程度の俳話をしてもらいたいというような注文をなさる方があります。この俳句講義は今度それらの要求に応ぜんがために思い立ったものであります。
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第一章 総論
この事ではまだ俳句というものを少しも知らぬ人のために、概念だけを与えるのを目的としてのべます。元来この講義は初心の人に俳句の概念を与えるのを目的とするのではありますが、この総論においてはさらにそれを小規模にして、手っとり早く、俳句というものに多少の親しみをつけるだけのことを目的とします。それゆえ同じく初心といううちでも一、二冊俳書を読んだことがあるとか、二、三句作ってみたことがあるとかいう人にはあまりわかりきったお話になるかもしれないのであります。それらの人は第二章から読んで下さってよいのであります。
それゆえこの一章を読んでから、今まではまったく没交渉であった俳句というものにどこやら一つの暖かみを覚えるようになったとお感じになるならば、それだけでもう十分この章の目的は達せられたことになるのであります。いよいよ諸君が俳句を作られるための手引としては第二章以下にのべることにいたします。
さて俳句(発句)というものはどんなものでしょう。